・アトロピン点眼について

近年では多数の臨床研究にて、低濃度アトロピン(0.01%アトロピン)点眼の有効性が証明されています。低濃度アトロピン点眼を両眼1日1回眠前使用することで、近視の進行を長期では15%、短期では60%程度の抑制効果が期待できます。

・アトロピン点眼の近視抑制の機序

アトロピンは網脈絡膜にあるアセチルコリン神経受容体を阻害することで、眼軸長の視覚制御(調節ラグへの対応としての近視化)を無効にすると考えられています。

・低濃度アトロピン点眼の副作用

主な副作用は、「まぶしさ」です。これは一定の時間、瞳孔が広がるためです。就寝前に点眼すれば、通常は朝には元に戻りますが、起床後にも「まぶしさ」を感じる場合は、前日の点眼時間を早めて対応します。

・当院での料金について

低濃度アトロピン点眼は予防の治療であり、自由診療です。保険診療や子ども医療費助成制度は適応されません。そのため、低濃度アトロピン点眼の処方目的の検査料・処方箋料・薬剤料は全額自己負担となります。

参考金額は以下の通りです。

☆診察料:初診料:約3000円、再診料:約800円

☆検査料:約0円~5000円(検査の有無や組み合わせによって増減します)

☆処方箋料:約600円

☆薬剤料:約4500円(両眼3か月分)

その他の診療目的(何か症状があるとき、眼鏡合わせ、学校健診による要受診)での受診は、通常通りの保険診療の扱いとなります。その際に、同日の低濃度アトロピン点眼の処方はできません。