・アトロピン点眼の治療の目的及び内容

本治療は、低濃度アトロピン点眼液を点眼することで、小児の近視進行を抑制することを目的とするものです。低濃度アトロピン点眼液発売前の臨床試験において、点眼を行わない場合に比べて、小児の屈折値の進行や、眼軸長の伸びを抑制することが確認されました。

本治療は、近視の進行を抑えることを目的としていますが、完全に近視の進行を止めることはできません。また、この治療は視力を回復させるものではありませんので、その点をご理解ください。

したがいまして、本治療を行った場合でも、近視の程度に応じて眼鏡等での視力矯正が別途必要となります。

・アトロピン点眼の近視抑制の機序

アトロピンは網脈絡膜にあるアセチルコリン神経受容体を阻害することで、眼軸長の視覚制御(調節ラグへの対応としての近視化)を無効にすると考えられています。

・低濃度アトロピン点眼の副作用

主な副作用として、羞明(まぶしく感じる)、霧視(かすんで見える)があります。他に、視力障害、頭痛 、眼瞼湿疹が起こることが報告されています。また、治療を途中で中止すると、近視が急激に進行する可能性があります。これらの症状、その他にも何らかの異常が現れた場合には、直ちに医師にご相談ください。

・当院での料金について

低濃度アトロピン点眼は予防の治療であり、自由診療です。保険診療や子ども医療費助成制度は適応されません。そのため、低濃度アトロピン点眼の処方目的の検査料・処方箋料・薬剤料は全額自己負担となります。また低濃度アトロピン点眼加療中の方が眼鏡処方やコンタクトレンズ処方など屈折異常の加療を行う場合には、検査料などは自由診療の扱いになります。

参考金額は以下の通りです。3ヶ月〜半年に1回の定期検査を勧めます。

☆診察料:初診料:約3000円、再診料:約800円

☆検査料:検査の組み合わせによる(0〜約4500円):屈折検査 約700円, 視力検査 約700円, 眼鏡処方箋作成 約700円, 細隙灯顕微鏡検査 約500円, 眼底検査 約1100円, 光学眼軸長測定 約1500円

☆処方箋料:約450円

☆薬剤料:リジュセアミニ 点眼0.025%: 1箱4180円(1箱30本(30日分):税込)

※その他の診療目的(何か症状があるとき)での診療は、通常通りの保険診療の扱いとなります。

 

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